「バイクは危ない」
世間一般のバイクのイメージといったら「危ない」でしょうか?
バイク乗りの僕からすると、バイクを「危ない」の一言で表現されてしまうのは、非常に残念に思います。
でも、確かにバイクは「危ない」乗り物です。
『『・・・乗り方しだいでは・・・』』
はい!これが結論になります。
別にバイクをひいきしている訳ではありません。
これは、僕が実際にバイクに乗るようになって得た答えなのです。
でも、乗り方しだいって言われても納得いかない方もいるかと思います。
これから、どうしてバイクは乗り方しだいでは危険じゃないのかを、詳しく解説していきます。
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データで見るバイクの事故数・事故率

警視庁が、都内・全国の交通事故死者数および、構成率のデータを公開しています。
これからそのデータを紹介していきたいと思います。
【2018年】バイク(原付を含む)事故死者数・構成率
まず以下の表をご覧ください。
出典:警視庁ホームページ
【二輪車の交通死亡事故統計(平成30年中)】
バイク事故での全国死者数は、2018年で『613人』であることがわかります。
構成率を円グラフで表すと以下のようになります。

全交通事故死者に占めるバイク事故死者数は『17.4%』になります。
バイク事故死者数が少ないとは言い切れない
もちろん母数が大きいクルマや歩行者の方が、交通事故死者数は明らかに多いですが、
死者数613人と聞いて、「バイク事故の死者数、少ないじゃん!」とは決して言い切れませんよね。
これは単純計算で、1日1,7人のひとがバイク事故で亡くなっているということになります。
でも、こんなにバイク事故死者数が多いのには、ちゃんとした理由がありました。
バイク事故には型がある
バイク事故には、『こんな状況で事故が起こる』という型があります。
その型を、死亡事故数の多い順に並べたものが以下になります。
- 単独事故
- 右折時
- 出会い頭
- 追突
都内で起きた事故類型をまとめたグラフが以下です。
出典:警視庁ホームページ
【二輪車の交通死亡事故統計(平成30年中)】
単独事故
みてわかる通り、『単独事故』が大きく目立ちます。
単独事故は速度超過や不注意などにより起こる自滅事故です…。
原因:速度超過(警視庁ホームページにも記載されています)
解決策:自制心を持って安全運転する
右折時
その次が『右折時』
これは、右直事故も含まれると思われます。
要は、交差点での事故ということですね。
原因:自分もしくは相手の不注意
解決策:運転中、とりわけ交差点では周囲の自動車の動きに注意を払う
出会い頭
そして『出会い頭』、
バイクに乗るようになって、出会い頭は、非常にみじかに起こりうる事故だと感じるようになりました。
バイクは『減速・静止』という動きにクルマ以上に労力を要します。
それは『クラッチ、バランス、力』など様々です。
だから、止まりたくないからといって怠惰に見通しの悪い交差点に減速せずに突っ込むと、出会い頭で事故を起こしてしまいます。
原因:危険予測の怠り
解決策:危険予測をする。見通しの悪い交差点では徐行、もしくは一時停止。
追突
追突が起きやすいのもわかります。
バイクは何故か後続車(クルマ)に煽られやすいです。
相手は煽っているつもりはないのかもしれませんが、「危ないな」と感じるくらいまで、車間を詰められることが多々あります。
こういった時は、車線変更して道を譲りましょう。
事故った際、クルマには敵いません。
また、僕たちライダーも、前方車に対して車間を詰めやすい傾向にあります。
言わずもがな事故に繋がりますので、前方車との車間は十分開けるよう心がける必要があります。
原因:車間の問題
解決策:前後の車間を意識して運転する。
死亡原因の約5割は頭部損傷
そうなんです。
死亡原因の約5割は頭部損傷にあるのです。
また警視庁のホームページからデータをお借りします。
出典:警視庁ホームページ
【ヘルメットのあごひも及び胸部プロテクターの着用状況調査結果】
これは、2013年〜2018年(H25年〜H30年)に起こった事故のうち、主損傷部位を表にまとめたものです。
表だとわかりにくいと思うので、以下に円グラフで表してみました。

この通り、主損傷部位のうち、頭部が47.5%と約5割りを占めます。
「ちょっと待った!」
「ヘルメットしててもこの数値なの?」
と思いますよね。
僕も疑問に思い、詳しく調べてみると警視庁ホームページにはこんなことが書かれていました。
平成30年中に発生した二輪車乗車中の死者のうち、40.9パーセントで事故時にヘルメットが脱落していました。
都内の2018年に起きたバイク事故のうち、なんと41%の割合でヘルメットが脱落していたというのです。
事故の際にヘルメット脱落ってほぼノーヘルと変わりませんよね…。
ヘルメットの脱落は、あご紐を締めていない、もしくは緩く締めているために起こります。
ヘルメットを着用し、しっかりあご紐を締めるだけで防げる事故はたくさんあるということです。
乗り方次第で事故や大怪我は防げる

事故の型や主損傷部位のデータを見てわかることがあります。
それは、『乗り方次第で事故や大怪我は防げる』ということです。
事故を避ける運転
事故の型で解説したことをおさらいします。
- 自制心を持って運転する(単独)
- 周囲の自動車の動きに気を配る(右折時)
- 危険予測をする(出会い頭)
- 車間を意識して運転する(追突)
上記の事故防止策を実行するだけでも、多くのバイク事故は防げるということです。
やはり、データとして単独事故が一番多いというのが示されているので、安全運転を心がけるだけで事故率というのはグッと下がるのです。
キーワードは『安全運転』です。
峠は攻めない!
バイクに『危ない』イメージが定着した大きな要因は、峠での死亡事故だと思います。
今この記事を読んでいる40代〜60代くらいの方は、友人やご家族を峠でのバイク事故で亡くした方もおられるのではないでしょうか。
昔は、『走り屋』なんて言葉が流行っていたほど、道路交通法が緩かったのです。
だから、峠を攻めて亡くなられる方が後を絶ちませんでした。
今でもバイクで峠を攻めている方はいます。
バイクで死にたくない方は「峠を攻めよう」なんて思わないでください。
言うまでもありませんが、峠を攻めることは危険と隣り合わせです。
いつ事故を起こして死んでもおかしくないと僕は思います。
80年代『走り屋』最盛期の頃の動画がYouTubeにアップされていたので載せておきます。
自制心を持って安全運転
バイクは自制心をしっかり持って安全運転を心がければ、「危ない」と一括りにされるような乗り物ではありません。
でも、どんなに自制心を持って安全運転をしていても避けられない事故はあります。
『10:0』の相手の一方的な過失での事故などですね。
これは、バイクに限らずクルマ、自転車、歩行者に共通して言えることです。
死亡事故につながるような事故は限りなく少ないですが、巻き込まれてしまう可能性はあります。
そういった時に、少しでも被害を少なくする工夫がバイク乗りには必要です。
それがバイク乗り自身の装備になります。
次項からは、この装備について解説していきます。
装備:損傷を出来るだけ抑える工夫

バイクを軽装で乗るのは大変危険です。
バイクに乗るにはそれなりの装備が必要になります。
もちろん、その分出費が重なりますが大怪我や命には変えられません。
これから、バイクに乗る際の装備について詳しく解説してきます。
フルフェイスヘルメットを着用する
バイク用ヘルメットには、大きく分けての5つの種類があります。
- ハーフヘルメット(半ヘル)
- ジェットヘルメット
- フルフェイスヘルメット
- システムヘルメット
- オフロードヘルメット
ヘルメットの種類について詳しく解説された記事を近々公開します。
この5種類のうち、安全性がもっとも高いヘルメットは、フルフェイス型のヘルメットです。
フルフェイス型のヘルメットは以下のものになります。
- フルフェイスヘルメット
- システムヘルメット
- オフロードヘルメット
今回は、一般的な『フルフェイスヘルメット』について解説します。

写真で見てわかる通り、フルフェイスヘルメットは頭全体をスッポリ守ってくれます。
したがって、バイクが転倒しても頭部の損傷を最小限にとどめてくれるのです。
フルフェイスヘルメットは高価ですが、命が一番大切です。
これからヘルメットを買う方は、フルフェイスヘルメットの着用をおすすめします。
↓【僕が使っているOGK KABUTO KAMUIⅡ GALAN】↓
※ヘルメットご購入の際は、色・サイズにご注意ください。
頭部損傷に次ぐ死亡原因→胸部損傷
先ほど、死亡事故の際の主損傷部位を表したグラフを載せました。

見てわかる通り、頭部損傷(47.5%)に次いで胸部損傷(27.0%)が大きな死亡原因となっています。
頭をヘルメットで守っていても、胸や腹をノーガードでバイクに乗るのは大変危険ということがわかります。
ですので、頭部以外の損傷を防ぐためにプロテクターの着用を強く推奨します。
ちなみに、プロテクターの着用は警視庁も推奨しています。
プロテクターは必須アイテム
いま説明した通り、プロテクターはバイク乗りの必須アイテムといっても過言ではありません。
数百キロもの速度で速さを競うバイクレーサーは、100キロ、200キロの速度で転倒してもいいように、ガッチガチの装備でレースに挑みます。
ヘルメットはフルフェイス、靴もライダーブーツ、そしてプロテクターも最高峰のものをつけています。
ですので、プロライダーは数百キロの速さで転倒しても軽傷ですむのです。
これがプロテクターなしだったらと考えると…、
想像を絶する悲惨な事態となってしまいますね。
でも、正直なところプロテクターの着用は面倒臭いんですよね。
見た目もダサくなるとかで敬遠されるのも事実です。
そういう方には、インナータイプのプロテクターをお勧めします。
実際に僕もインナータイプのプロテクターを使っています。
インナーですので、見た目に影響しませんし、体の各部位もガッチリ保護されているように感じます。
↓【インナー上半身】↓
↓【インナー下半身】↓
バイクは乗り方や装備しだいで安全安心に楽しめる

バイクは自動車ですから、危険はつきものです。
でも、乗り方しだいでバイクは『ただただ危ない』と言われるほどのものではないということが、わかっていただけたでしょうか。
バイクは安易な気持ちで乗ると、最悪命を落とします。
これに関して『バイクは危ない』という事実は間違いないですね。
でも、事故を避ける運転を意識し、事故の際の損傷を最小限に和らげる工夫を施せば、バイクは安全安心で楽しむことができる乗り物です。
これが僕が伝えたかった、『バイクは危ない!という事実と勘違い』になります。
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